だらだら投資=タクティカルアセットアロケーション?

インデックス投資と言うにはかなり亜流な手法で展開しているわが「循環だらだら投資」ですが、ふと内藤忍さんの投資本を読んでたら、だらだら投資と同様に「相場動向にあわせて動的にアセットアロケーションを動かす手法」が紹介されてました。


名付けて「タクティカルアセットアロケーション」。


おお。なんかかっこいい(笑)


いろいろ検索をかけてみると、短期的な相場見通しを基に、楽観の場合はそのクラスの持ち比率を上げ、悲観の場合は下げるというのが、大体の定義のようです。要するに「逆張り」ですね。


これと似たような単語で「ダイナミックアセットアロケーション」というものがあります。これは、僕のつたない解釈がただしければ(どこのサイトも説明が難解なんだこの辺は…)上昇したクラスは特にいじらず比率が上がるままにしておき、下がったクラスも特にいじらずに比率が下がったままにしておく。市場の状態に逆らわず「順張り」な感じで決められたアセットアロケーションから比率が動くのを許容する手法のようです。へー。まあ、定額で積み立てていくと、実質そういう状態になることはままあるんでしょうねえ。


ちなみに頻繁なリバランスであらかじめ決められたアセットアロケーションを何がなんでも維持するのが、それらふたつの対極にある手法ということでしょうね。これはサイトによっては「ポリシーアセットアロケーション」なんて呼んでます。


で、結論を申し上げますとね。たぶん「だらだら投資」は、亜流の「タクティカルアセットアロケーション」ですね。そんな大それたものでもないのですが。


藤忍さんの解説によると、プロは、外貨と内貨、株式と債券とわけ、それぞれ楽観だったら「+」悲観だったら「-」を書き、外貨×株式、内貨×株式、外貨×債券、内貨×債券でそれぞれの+-の数を数えて、プラスの数1個で0.2%比率を上げるとか、その逆にマイナスあったら0.2%下げるとか、そういう操作をやるのだそうです。実際はもっと複雑な計算をやってるんでしょうが。


さて、ぶっちゃけそこまで細かく計算しちゃないですが「だらだら投資」も似たところはあります。つまり円高で株安だったら海外株をたくさん買うわけです。けど買い続けると決められたアセットアロケーションの比率からはみ出しちゃう。そしたら大体0.5%買ってるクラスの持ち比率を引き上げます。高いときは逆で、時に0.5%クラスの持ち比率を下げてまで利益確定します。というわけで、やってることはもろに「逆張り」です。


基本的には、株高のときにはあまり株式クラスを買いません。時々、アセットアロケーションの比率に満たなくなったら、ほんの少額買うくらい。その代わり、どんどん債券をたくわえます。当然債券の比率は増えます。そしてそのうち株が調整で下がってくる。そこでどーんと株を買いこみます。これが「タクティカル」というのかは分からないが。


むしろこれは「さわかみ流」という方が適切ですよね。そうです。わたしはインデックス投資家のくせに澤上篤人氏の著作の影響をもろに受けておりますです。だから妙にオペレーションがアクティブファンドっぽいんだよな。そう、「だらだら投資」って、インデックスファンドを使った、アクティブ運用的要素の強い投資なんですよね。たぶん。


けど結果的に、株式高騰時には下落リスクを引き下げてくれ、下落時の買いものの楽しみも与えてくれる今の手法は非常に自分にあってるなあと思います。そう、結局名前がなんだろうが、大事なのは自分にあうかあわないか、やりやすいかやりにくいか、やっててストレスがないかあるかなんですよね。それは投資効率とはまた別の問題な気がしてます。長く続けるためには「楽しめる」仕組みをつくるか、「完全自動化」の仕組みをつくるしかないんですよね、基本的には。


僕は楽しむために、だらだら投資という亜流投資をやってます。結局さ、長く楽しめる体制を作るのが、投資を続ける上で一番大事な「タクティクス=戦略」なんですよね。