アナリストレポートはめんどくさい人の仕事?

毎日、証券会社から株価の速報メールが来る。そこには、アナリストの分析レポートが冒頭に入るのだけど、そのコメントが面白い。

マネックス証券のメールの冒頭レポートは、先月くらいに担当者が変わった。 前は当たり障りないコメントだったのだけど、今度来た人は、本当に押しの強い人で。終始コメントが強気なのが面白い。株価は常に上がるものだと信じているかのようだ。

まあ、こういう鼻息の荒いひとのおかげで経済が回ってるという側面もあるので、決してそのコメントに否定的じゃないし、嫌いじゃないです。いや、むしろキャラクターが立ってて好きだなあ。

たとえば今日の論旨はこんな具合。(著者の感情を推測してかなり意訳してます。)

「本日の東京株式市場は、昨日NY株が好調だったのと、円安にふれている影響で、高い取引ではじまった。ところが午後になって急落しやがった。どいつのせいかといえば、JAL問題に銀行が口出ししたという報道が流れたせいだ。
 
これが理由だとすればまったくばかげてる。
 
お前ら(市場のこと)、感情に流されすぎなんだよボケェ。別に金融業界の問題とかと違ってクリティカルな問題でなくて、JALという1企業固有の問題だろんなもんは。そんなもんにがたがたぬかしてせっかく上がってきた株売り急ぎやがって。まーったく、せっかく週末に株価上がって気持ちよく週が終わってうまい酒が飲めると思ったのに、水を差しやがって。
 
いい銘柄は上がってるし、円安傾向だし、世界の株価は上昇基調だし、日本だけが、市場が感情的なせいで乗り遅れてるんだよ。いい加減上がるんだから、とっとと安いうちに株買っとけってんだ。」


かなり意訳してますが、著者の焦燥感みたいなものを加味するに、そう遠くはない気がします。

アナリストレポートなんて、無味乾燥なもので、感情なんて排除されてるもんだと思い込んでましたが、こう読んでみると、むしろ感情の産物だってのがよくわかる。香山リカとかみ合わないトークを独自の感覚で展開する勝間某だってJPモルガンでアナリストレポートを書いてたそうだけど、そう考えると、ああいう花形職種をえらぶひとって、めんどくさい出たがりが多いんだろうなあ。

まあ、証券会社の人はね。株を買ってもらって手数料稼いでナンボですからね。それにたぶん「日本株だけ安い」っていう状況に、妙なプライドが働いて、とっとと日本株が上がってほしいと思ってるんだと思う。

そして「野村の増資のせいで」とか「民主党政権のせいで」とか 「円高のせいで」とか「JALのせいで」とか毎日毎日日本株が上がらない原因をどこに転嫁するかを 繰り返し繰り返しさまざまなキーワードの順列組み合わせを駆使してぼやいてるわけ。面白い仕事もあるもんだね。

そんな僕は、日本株ファンドの比率を減らし続けてます。客観的にみていい要素が見当たらないんだよなーこの国は。どうしたらよくなるんでしょうね。とりあえず投票にいこうか。